【公的資格試験】新規システム開発・運営事務局の立ち上げ

2025/11/29

事例テーマ

省庁公認資格試験事業における、コアシステムのプロダクト企画、開発、および運用体制のゼロからの構築

Public Exam System Overview

プロジェクト概要

クライアント: 省庁公認資格試験事業運営NPO法人
役割: プロジェクトマネージャー (PM) / 技術リーダー、プロダクトマネージャー
(※本事例は、AI Nexus代表者が過去に参画したプロジェクトにおける個人の実績です)

背景と初期課題

省庁公認資格試験システムの新規開発と、それを運用する事務局の立ち上げがミッションでした。 プロダクト企画、要件定義、システム構築、ガバナンス設定、事務局運用まで全てをゼロから立ち上げる必要があり、特に公的機関の認定基準を満たすセキュアで厳格な品質管理が求められていました。

構築対象の定義

省庁公認資格認定試験システム (決済機能、試験申込管理、試験結果集計、不正防止機能を含む統合プラットフォーム)


推進戦略:プロダクト企画・開発・運用の統合

単なるシステム開発に留まらず、「製品企画・開発・運用」視点でプロジェクトを捉え、一貫した交通整理を徹底しました。

Development Process

  1. システムと業務の並行設計: システム開発と並行して、事務局の業務フローを設計。「システムでできること」と「人がやるべきこと」を明確に区分し、公認試験の実現という最終目標に向けて最適化しました。

  2. 厳格な開発プロセスの導入: Salesforce (Apex, LWC) 環境において、Git, SFDX, Jiraを活用した厳格なバージョン管理と開発プロセスを導入。マルチ環境(開発・テスト・本番)を整備し、セキュアで堅牢なシステム設計を保証しました。

  3. 複雑なステークホルダー管理: 省庁との認定に向けた会議の進行、業務委託先や外部講師など多岐にわたる関係者との調整を主導。複雑な利害関係者の間で合意形成を図り、プロジェクトを円滑に推進しました。


成果 I:堅牢性の証明(運用・ガバナンス)

構築の目的を、公的資格試験に必須の「セキュリティと不正防止」および「効率的な事務局運営体制」の確立に設定しました。

  • 不正防止と品質管理: 画面制御やログ取得による不正防止機能を実装。さらに、事務局予行演習や本番想定シナリオに基づく総合テストを実施し、公認試験に必要な堅牢性を確保しました。
  • 運用ルールとマニュアル整備: 事務局運用を考慮したデータモデルを設計し、システム管理者・事務局・受験者向けの運用マニュアルを整備。リリース手順や障害対応フローも策定し、持続可能な運用体制を確立しました。

成果 II:インパクトの証明(ROIと信頼)

Certification Impact

  • 公的認定の獲得: システム立ち上げと運営開始により、2024年9月に省庁公認の試験として正式認定されました(全国で2団体のみ)。2024年の受験者数は約300名に達しました。
  • 技術的課題の解決とリスク回避: SalesforceとStripe APIの連携による安全な決済処理、Python (Pytest, Selenium) によるテスト自動化を導入。機密情報や金銭が関わる部分での運用リスクを最小化しました。

まとめ:PM/アドバイザーとしての専門性

本事例は、「公的機関の認定基準を満たす厳格な品質管理」と「要件定義から運用まで一貫したPM力」、そして「Stripe連携や不正防止機能を実現する技術力」の三要素を組み合わせ、新規事業立ち上げを成功させた実績です。

AI Nexusの役割

この実績は、PMが、ゼロから街を作り、そこに厳しいルール(公認基準)を課し、セキュリティ(不正防止)と経済活動(決済)のインフラを、堅牢な設計図に基づいて完璧に組み込んだ「都市設計士」の仕事に例えることができます。